TOMARUYO | 国内最大級の個人ホスト・民泊関連事業者向けメディア情報サイト

国内最大級ホスト向けAirbnb・民泊関連事業者情報サイト

民泊オーナーが知っておきたい民泊に関わる法規制とリスク

こんにちは民泊専門ライターのTakashiです。

個人が所有する住宅などを、旅行者に宿泊施設として提供する「民泊」。
Airbnb(エアビーアンドビー)をはじめとする民泊プラットフォームの成長に伴い、
日本でも急速に拡大しています。Airbnbによると、日本におけるAirbnbの物件数は前年比374%で成長し、21,000件にまで達しているようです。

しかし、「民泊」はこれまでにない新しいサービスであるため、法整備が追いついておらず、日本でも政府を中心に民泊の規制緩和に関する議論が進んでいます。

こうした法規制は、宿泊施設を提供する民泊オーナーの方が対象となります。特に、これから自分の部屋を民泊向けに貸し出そうとしている、あるいは既に民泊を運営している方は、法規制について正しく理解しておく必要があります。

そこで本日は、民泊オーナーの方が最低限理解しておくべき、民泊に関わる現行の法規制や法的リスクについてわかりやすくまとめました。ぜひご一読ください。

▼目次

「旅館業」とは?
 ・旅館業の許可について
 ・旅館業法上の「旅館業」の定義

「旅館業」と「貸室業」の違い

「旅館業」の4要件

「民泊」は「旅館業」に該当するのか?

「民泊」オーナーの逮捕事例
 ・英国人男性が旅館業法違反で逮捕
 ・無許可で「民泊」容疑、京都で3人書類送検

「旅館業」とは?

3ad87d73e88ecddb3f344988e3ec3e9b_m

「民泊」の議論の中で、最も問題視されているのが旅館業法との整合性です。具体的には、民泊を運営するオーナーは「旅館業」に該当するのではないか?もし該当するのであれば、「旅館業」の許可を取得必要があるのではないか?という議論です。

そもそも、旅館業の許可を取得する必要があるのはどのようなケースなのでしょうか。

旅館業の許可について

1948年に制定された旅館業法では、以下のように定義されています。

旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。第四項を除き、以下同じ。)の許可を受けなければならない。

出典:同法第三条

つまり、同法の適用があると判断される場合、営業者は許可を取得し、同法が定める様々な規制に準じる必要があるということです。

では、この「旅館業」はどのように定義されているのでしょうか?

旅館業法上の「旅館業」の定義

この法律で「旅館業」とは、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。

出典:同法第二条第一項

これら4つの種別は、構造基準など規制の中身は多少異なるものの、共通するのは「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」という点です。

さらに、同法における「宿泊」の定義については、下記のように定義されています。

この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。

出典:同法第二条第六項

ここでいう前各項とは、同法第二条第2-5項で定められている「ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業」のことを指しています。

まとめると、旅館業法上における旅館業の定義は「宿泊料を受けて、人に寝具を使用して施設を利用させる営業」ということになります。

「旅館業」と「貸室業」の違い

0148d801bef7c6a10c64050daf2865e0_m

一方で、旅館業とアパートや間貸しなどの貸室業との区別を明確化するため、昭和61年に当時の厚生省は下記のような通達を出しています。

ここで、「人を宿泊させる営業」とは、アパート、間貸し等の貸室業との関連でみると、

一 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念 上認められること。
二 施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として、営業しているものであること。

の二点を条件として有するものであり、これは下宿営業についても同様である。

出典:厚生省生活衛生局指導課長通知 昭和61年3月31日衛指第44号「下宿営業の範囲について」

つまり、実体として部屋の清掃など施設の維持管理を営業者側が請け負っている、かつ、施設の利用者が利用する施設内で生活をしていない(一時的に施設を利用している)の2点に該当する場合に限り、旅館業とみなす、ということです。

旅館業の4要件

こうした過去の通達等をもとに、各地方自治体の保健所では、「旅館業」の許可が必要な施設について以下の4要件全てに該当する施設と定義しています。

言い換えると、以下の4要件が一つでも該当しない場合は、「旅館業」ではない、つまり「旅館業」の許可が不要と判断されるとも読み取れます。

1 宿泊料を受けていること
※ 宿泊料という名目で受けている場合はもちろんのこと、宿泊料として受けていなくても、電気・水道等の維持費の名目も事実上の宿泊料と考えられるので該当します。

2 寝具を使用して施設を利用すること
※ 寝具は、宿泊者が持ち込んだ場合でも該当します。

3 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること
※ 宿泊者が、簡易な清掃を行っていても、施設の維持管理において、営業者が行う清掃が不可欠となっている場合も、維持管理責任が、営業者にあると考えます。

4 宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているものであること

出典:品川区保健所 旅館業のてびき

「民泊」は「旅館業」に該当するか?

それでは旅館業法の4要件ごとに、民泊に照らし合わせて考えてみましょう。

まず、Airbnbのオーナーはゲストから宿泊料を受けて、ゲストに自分の部屋に泊めているため、1、2は該当するでしょう。3は抽象的な表現のため判断が難しいですが、Airbnbの場合はオーナー自身または清掃業者が清掃を含め施設の維持管理を行っているケース多いため、該当する可能性が高そうです。4についても、ホストは基本的に本拠を有さない旅行者を対象としているため、こちらも該当すると考えられるでしょう。

すなわち、一般的に想定される民泊の運営形態の場合、旅館業法に基いて判断すると、民泊オーナーは旅館業の営業許可が必要であると判断される可能性が高そうです。実際には、保健所がケースバイケースで判断を下しているため、場合によっては旅館業の許可が不要と判断されるケースもあるかもしれませんが、その可能性は低いといえるでしょう。

なお、仮に民泊の運営を行い、それが無許可で旅館業を営業したと見なされた場合、旅館業法違反の罪で懲役6か月以下または罰金3万円以下が科せられます。
(同法第10条1号)

「民泊」オーナーの逮捕事例

実際に民泊をホストとして利用したことで、逮捕に至っているケースもあります。
なお、あくまで民泊オーナーの逮捕事例であって、厳密にはAirbnbのホストではないと言われています。

英国人男性が旅館業法違反で逮捕

木造3階建ての自宅など複数の物件を、1泊1人2,500~5,000円程度で旅行者に提供していた英国人男性が、2014年5月旅館業法違反で逮捕され、略式命令(罰金3万円)を受けています。

昨年5月には、東京都足立区の自宅など複数の物件で旅行者を泊めていた英国人男性が旅館業法違反(無許可営業)容疑で逮捕され、6月には東京簡裁から罰金3万円の略式命令を受けた。同区保健所によると、男性は自分の物件の紹介サイトを運営し、ホテルの予約サイトにも登録していた。保健所は10回ほど男性宅を訪ね、許可をとるよう求めたが、男性は従わなかったという。

出典:朝日新聞デジタル 2015年1月18日

無許可で「民泊」容疑、京都で3人書類送検

京都市内のマンションの空き部屋36室を、団体旅行の中国人観光客に有料で繰り返し宿泊させた疑いで、旅行会社の常勤顧問ら3人が書類送検されました。

京都市のマンションの部屋に観光客を有料で宿泊させる無許可の「民泊」を繰り返したとして、京都府警は16日、東京都千代田区の旅行会社常勤顧問の男性(52)と、山形市南原町の旅行会社取締役の男性(48)、京都市伏見区の不動産会社の男性社員(43)を旅館業法違反の疑いで書類送検した。

出典:日本経済新聞 2015年12月16日

こうした逮捕事例以外にも、近隣住民の通報や保健所による立ち入り調査等により、Airbnbをはじめとする民泊オーナーが退去を迫られるケースも出てきているようです。

こうした現状を踏まえ、現在、政府を中心に民泊の規制緩和へ向けた議論が進められています。

これから民泊オーナーとして部屋の貸し出しを考えている方や、既にオーナーとして民泊を運営されている方は、今回解説したような法的なリスクを正しく理解しておくとともに、今後の民泊解禁へ向けた動向も把握しておく必要があるでしょう。

レビューする

*
* (公開されません)
*

Facebookでレビューする

Return Top